気が付くと僕は独りだった。
どうしようもなく孤独だった。
自分が世界から切り離されたような気がした。
そう考えると心がざわざわした。
暗い闇の底へ落ちているようだと思った。
僕は無理矢理心を押さえ込もうとした。
自分を落ち着かせるのに必死だった。
心を冷たく硬くするように努めた。
ずっしりと重くて硬い、冷たい石を想像した。
僕は冷たい石になり、抗うこともできずに海の底へ沈んでゆく。
僕にはもう何の目標もありはしない。
求めてもいけないような気すらした。
誰も傷つかないように、そして僕が傷つかないように、じっとしている。
僕は人生のなるべく多くの部分を諦めようとした。
身体を丸めて、眠ったまま、ゆっくりと人生の終わりを迎えられればいいのにと思った。
喜びも無い代わりに苦しみも無い冷たい石のように、揺るぎの無い安定した存在になりたかった。
何年か何十年か経った僕を想像する。
暗い部屋で、1人身体を丸める年老いた自分を。
なんて寂しい姿なんだろうと思う。
それは魂が震えるような悲しい光景だった。
世の中には絶望したくなるようなことがたくさんある。
僕はそれに対抗できるような力は無く、ただ這いつくばって祈ることしかできない。
目を閉じ耳を塞ぎ、身体を丸めて悲しいことが自分の上を通り過ぎていくのをひたすら待つほかない。
他にどんなやりようがあるって言うんだ。
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