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籠のデッサン

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籠を描くのは大変難しく、デッサンのモチーフとしては難度が最も高い部類に入ります。

籠の編み目の規則性を構造を理解し、遠近法をきちんとあわせて描くという作業は、かなりの集中力と思考力、分析する力が必要になります。
作者はデッサンを始めて1年未満の高校1年生。

籠をよく観察し、何回も形を取り直して、読書形を理解しながら完成させることができました。

油絵模写 アルベルト・アンカー

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教室では、お気に入りの画家の模写の授業も行っています。掲載の作品はスイスの国民的画家 アルベルト・アンカー(Albert Samuel Anker 1831~1910)の作品模写です。まだ制作途中段階ですが、完成したら完成作品を掲載致します。
服の腕の部分が未完成で生徒さんも表現方法に悩まれていました。面の表現や陰影など、アンカーの作品は洗練されているので、それを写すのはなかなか難しいものです。難しいところはありますが、出来上がった作品を想像するのは楽しいものです。この読書生徒さんも積極的に取り組まれていました。
模写は、いろいろな発見があって興味がつきないものですね。

陰陽師の安倍晴明ゆかりの神社

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 御池アートスクールから自転車で10分くらいのところに安倍晴明ゆかりの晴明神社があります。安倍晴明は平安時代の陰陽師で、最近はテレビやマンガで有名なりました。以前は、この晴明神社もあまり人がやってこなくて、ちょっと寂しい怪しさが漂っていたそう。今はもちろん大人気の神社です。場所は堀川通りに面した今出川通りにほど近い場所。まさに市街地のまっただ中です。付近にはお茶の殿堂、裏と表の千家があったりと観光名所が豊富です。パワースポットの一条戻り橋もあります。
 晴明神社は名前だけは知っていましたが、どこか遠くの暗い森の中にひっそりとあるのだろうなぁと勝手に思いこんでいましたが、こんな派手な場所にあるとは、意外でした。
 今回は前をで自転車で通りかかって、読書写真を撮っただけですが、なんと鳥居の額に社紋である五芒星(ごぼうせい)がどーんと描かれていたのにはちょっとびっくりしました。五芒星は、陰陽道における強力な“魔よけ”のマークらしいです。
 時間が出来たら、神社の中も探索したいと思います。

石膏デッサン

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 教室では基礎のデッサンをマスターした人がそのままデッサンコースを続ける場合、難度の高いモチーフとして石膏デッサンを行ってもらうことが多いです。
 石膏デッサンで使われる石膏像は神像であったり、歴史上の人物像であったりします。このような人物の形は描くことがとてもおもしろく、また難しいです。
 骨格や筋肉、顔の表情、全体的な奥行き感など、学習する要素は多く、石膏デッサンを1枚完成させることができるとデッサン力は飛躍的にアップしたと感じられるようです。
 いま、生徒さんが取り組まれている石膏像はアリアス像です。アリアドネ像とも呼びます。神話上の女性像です。うつむき加減の顔の表情と豊かな髪型に特徴があり、繊細な光の加減が美しい像です。

アクリルガッシュの平塗りで透明感を出す方法1

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不透明水彩のべた塗り(ムラ無く平塗りすること)で透明感を出すための練習です。透明表現は色面同士の重なり部分に中間の性質をもつ色彩を与えることで視覚的に透明感を作り出すことが出来ます。
掲載作品は色彩初学者の色彩作品です。アイデアスケッチの段階から多くの試行錯誤しています。

■課題の条件
一辺15㎝の正方形を用紙中央に並べ、それを画面とする。その画面をそれぞれ垂直線、水平線合わせて3本の直線と、円2個を用いて分割し、透明感を出しなさい。
使用する色の数などは自由とするが、それぞれ分割した面をムラ無く塗ること。

上記が課題の条件となっています。

アクリルガッシュの平塗りで透明感を出す方法2

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●上の図は円2個と垂直線2本、水平線1本を重ねたイメージ。垂直線、水平線とも色面的には長方形として扱われている。
●中の図は重ね合わせたイメージ
●下の図は画面イメージ。(実際は画面としての正方形枠内のみが画面となる)

■思考方法

課題の条件が一つの画面につき、円が2個、垂直、水平の線を合わせて3本という条件になっています。透明感を出すためには円同士を重ねることや直線と円を重ねることを考えます。直線の解釈ですが、直線=面の際(きわ)と考えると良いようです。つまり、1本の直線は画面上では1個の長方形の輪郭線としてとらえるのです。つまり、課題の条件である3本の直線は、3個の長方形として解釈し、この3個の重なりと円で透明感表現を行う要素とします。さて、重なったところがどのような色彩になるかは、次の加法混色と減法混色を参考にしてください。

アクリルガッシュの平塗りで透明感を出す方法3

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●上の図は3つの円が加法混色で重なったときの色彩イメージ
●下の図は画面上で円と直線が重なったときの明暗イメージ


■加法混色(加算混色)のイメージを使った透明感表現

加法混色とは光の混ぜ合わせによる混色効果です。光を合わせると、より一層強い光になり合わさったところが明るくなります。たとえば今、3つのライトを用意したとします。
それぞれのライトに、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3枚のセロファン(フィルター)を貼って、白い面に光を照射してみると、赤と青が重なったところは、明るいピンクになり、緑と青が重なったところが鮮やかな明るい水色、赤と緑が重なったところは、明るい黄色になります。そして、中央の3つの光が重なったところは白になります。
光の3原色は、赤と緑と青の3色で、その混色でピンク、水色、黄色が出来きます。
もちろんこれらの色彩は光の三原色が重なったときに出来る色味のことです。色彩の構成(デザイン)を考える場合には、いろいろな色味(いろいろな光の色)の重なりを考えると良いと思います。
そして、この加法混色は光が重なるイメージですので、背景の色彩を暗くし、重なっていく主要な要素を明るく鮮やかな構成を考えると効果的です。

アクリルガッシュの平塗りで透明感を出す方法4

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●上の図は3つの円が減法混色で重なったときの色彩イメージ
●下の図は画面上で円と直線が重なったときの明暗イメージ

■減法混色(減算混色)のイメージを使った透明感表現

 減法混色とは色の重なりによる混色効果です。 3枚の円形に切り取ったセロファンを用意したとします。それぞれのセロファンは、藍色のシアン(Cyan)、鮮やかな赤のマゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)です。その円形セロファンを重ねると青と赤が重ねられたところが、紫、赤と黄色の重なりでオレンジ、黄色と青の重なりで緑になります。
そして、中央の3色が重なり合っているところが黒になります。
 この混色は、絵の具を混ぜ合わせたときの色彩効果に近いですが、それよりも少し透明感のある色調になります。このシアン、マゼンダ、イエローにブラック(blacK)を補った4色をCMYK(シーエムワイケー)といいます。これは印刷用語ですが、最近はパソコンに接続したプリンターインクなどでもその名称が親しまれるようになりました。
さて余談ですが、ブラックなのに、略のBではなくKというのは、その昔、印刷が版で行われていた由来からある名称のようです。黄-紅-藍-墨の順で刷りが行われて、黒が最後に入ったときに引き締まった印象になるのでキー(鍵)となる版でK版いうのだそうです。現代では昔とは違った刷り順になっていることが多いので、なごりといえるでしょう。
 さて、このように減法混色は重なるほどに濃くなっていく混色ですので、画面の主要な要素に対して背景が明るい方が効果的です。一般的に周りが明るくて主要な部分が暗く引き締まった印象になるようです。

食品の安全

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 平均的な日本人の食品添加物年間摂取量は、おおよそ4キログラムといわれています。
 この本はその食品添加物について、知られざる裏側が書かれている本です。 
 たとえば普段コーヒに入れるコーヒフレッシュが水とサラダ油を混ぜ合わせて作っていることや、サボテンに寄生する虫をすり潰して色を付けている健康飲料をそれと知らずに飲んでいるなどが記されています。驚くのは産業廃棄物に近いものを、大量の添加物を加えて、食品として再生して販売して、ヒットを飛ばしている会社があることも。。
 著者は、食品添加物を扱う商社の元トップセールスマン。本の前半では食品添加物の専門家として、食品製造企業のあらゆる要求に応えられる添加物スペシャリストとしての活躍が書かれています。食品添加物を使うことによって「安さ」「手軽さ」「便利さ」を、消費者は享受できることといった食品添加物の「光」の部分について述べられています。企業にとって添加物を使うことで、加工しやすく、腐敗しにくい食品を作ることが出来、原材料も最も安価な質の低いものや産業廃棄物なども材料に使い、原価を引き下げることが出来ること、そして、そのように作られた「安い」商品が熱狂的に消費者に受け入れられた事が述べられています。添加物のスペシャリストとして著者も、ある食品会社から感謝され、著者の銅像を建てたいと申し込まれた事もあるそうです。しかし、しだいに強い「光」ゆえの深い「影」も生じてきます。自分のところで作った「ハム」は一切口にしない経営者、怖くて自分達は食べることの出来ない食品を作って、職人としての「誇り」を失ってしまった人々についても言及されていきます。そして、転換点となったのが著者の小さな娘の誕生日でした。自分の小さな娘や息子が「おいしい、おいしい」と食べているミートボールが著者も開発に関わったミートボールであったと知った時の驚愕ぶりについて書かれている行です。

「パパ、何でそのミートボール、食べちゃいけないの?」
ミートボールの製造経緯に思いをはせていた私は、子供たちの無邪気な声にハッと我に返りました。
「とにかくこれは食べちゃダメ、食べたらいかん!」
皿を取り上げ、説明にもならない説明をしながら、胸がつぶれる思いでした。
 ドロドロのクズ肉に添加物をじゃぶじゃぶ投入して作ったミートボールを、わが子が大喜びで食べていたという事実。
「ポリリン酸ナトリウム」「グリセリン脂肪酸エステル」「リン酸カルシウム」「赤色3号」「赤色102号」「ソルビン酸」「カラメル色素」、、、、。
それらを愛する子供達が平気で摂取していたという現実。

 「作る側」「売る側」の認識しかなかった著者が、初めて、「買う側」の認識を持った瞬間でした。一晩中悩んだ末、翌日、トップセールスマンとして高給をはんでいたその会社を辞めたそうです。

 著者は食品添加物はすべて悪と決めつけることはしていません。そもそも食品添加物は昔から存在していて、豆腐を作る時のにがりであったり、麺を打つ時の鹹水であったりと人の生活と関わってきた事実もあります。また、調理時間を短縮したり、安く作ったり、それなりにおいしく出来る便利な側面もあって、現代の食生活に不可欠の存在となっていることも説明しています。ただし、何事も便利さを追求するばかりの食生活は、本来人が持つ味覚を失い、便利さと引き替えに、食に対する心の豊かさや健康も損なうおそれがあることを警告しています。
 また、消費者である私たちが、食品にどのような添加物が使われているのか、大量に摂取した場合どのような危険があるのかなど隠されてしまっている事実もあり、私たちはそれを知る権利があることを訴えています。
 知らないうちに摂取してしまったり、家族の食事に取り入れてしまい後悔するよりは、今、真剣に食品添加物と向き合っていくことを提言している本だと思います。 興味があれば一読下さい。

長澤英俊展 オーロラの向かうところ

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国立国際美術館で現在開催されている「長澤英俊展 オーロラの向かうところ」を見てきました。この展覧会は9月にも埼玉県立近代美術館で見たのですが、東京での開催は埼玉と川越の美術館での同時開催で、両方の美術館に作品が分けられて展示されていた分を大阪では国際美術館でまとめ展示する内容になっています。
東京開催では、残念なことに時間的な都合で川越市美術館の展示を見ることが出来なかったのですが、大阪開催でその作品群を見ることが出来ました。
実は、「長澤英俊展 オーロラの向かうところ」が最近まで大阪で開催されるとは知らなかったもので、わざわざ東京に出かけてしまいうっかりとした失敗がありました。
東京ではその他の展覧会をいろいろ見ることが出来ましたので、あきらめはつくのですが、、、。展覧会の情報収集は重要ですね。
さて、今回見てきた「長澤英俊展」ですが、写真の「オーロラの向かう所-柱の森」の展示は大きな49本の大理石の柱で作られています。かなりの重量のある作品です。その作品は、ほぼ真っ暗な部屋に展示されていて、ほとんど見えない状態で、近寄るのが怖かったです。その彫刻が置かれた暗い部屋に入る前に美術館の係の方が、部屋の中に入ると最初は目が慣れるまで、何も見えないので入り口付近で目を慣らしてから室内を移動してくださいと説明していました。中に入って、しばらくしても目が慣れず、遠くの方にボンヤリとした、明かりがともされているのですが、100畳以上ありそうな体育館くらいの大きな部屋なので、全く暗闇と等しく、一寸先は闇状態が長くつづきました。壁に手を沿わせながら、ほとんど見えない部屋をぐるりと一周してきました。何となく柱が林立していることはわかりましたが、、。もし、あたって倒壊させたりしたら、下敷きになって死んでしまう。。。という恐怖感もあって、最初は、暗いし恐ろしかったです。国際美術館もムチャをするなぁと思いました。しかし次第に暗闇にいることになれてくると、自分と自分の外の空間との境界が曖昧になって、自分の意識だけが、すうーと暗い空間に浮かび上がるような感じがしてきました。この暗い空間内部に目にははっきりと見えない彫刻があるという状態は、彫刻を見たり触れたりする体験を越えて、「いかなるところにも隷属しない空間」という長澤のメッセージが伝えられてきて、後から考えると、すごい体験が出来たと思います。展覧会会場の終わりに「長澤英俊のドキュメント」という映像があって、それを見ていると、イタリアの山の美しい渓谷のようなところにコンクリート部屋を作って、その中に上下逆さにした船のような彫刻を入れて、後に入り口を封印する作品制作を映し出していました。いわばこの49本の柱彫刻の真っ暗に近い空間は、その封印された部屋をイメージさせる体験だったのかも知れません。

「長澤英俊展 オーロラの向かうところ」
国立国際美術館
会期:2009年9月12日~11月29日(水・祝)

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