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「見ろ、スザク」 「・・・何でこんなところに」 「それは考えるだけ無駄だ」 島の中を散策していると、鍬を拾いました。しかも新品。 サビ一つ無いそれに、考えるだけ無駄かと、溜め息ひとつついたスザクは、その鍬を拾った。 「何にせよ、相変わらず都合のいい事だ。スザク、その鍬を早速使って芋を掘り起こせ!」 「イエス・ユアハイネス!」 「違う、間違っているぞスザク、そこはマイロードだろう、俺は皇族じゃない」 ルルーシュとスザクが今いる場所。そこはじゃがいもの群生地。どうやって掘り起こそうかと迷っていた時に、鍬を発見したのだ。 スザクは手に入れたばかりの鍬で、ザクザクと地面を掘り起こしはじめた。 竹で作った籠いっぱいのじゃがいもを手に入れ、近くで見つけた大根も掘り起こした。 根菜が欲しい。昨日確かにルルーシュはそう言ったが、こんなに都合よく見つかるものなのだろうか。 今までもあったけど、ただ見落としていただけなのだろうか。そんな事、考えるだけ無駄か。 「・・・よし、さっさと戻るぞ」 「え?もう散策いいの?まだ昼前だよ?」 荷物がいっぱいになったけど、それは走って置いてくるよ、というスザクにルルーシュは首を横に振ってそれを止めた。 「昼前だが、今日は休もう。慣れない環境でお前、疲れているんじゃないか?」 「全然?むしろ野外での生活とは思えないほど快適で、体力にも余裕が有るけど?」 「そうか?・・・まあいい。なにか悩みごとがあるなら、相談にのるぞ?」 その言葉に、思わずぎくりと身を強張らせてしまう。が、「悩みなんて、この島のことぐらいだよ」と、じゃがいもの入った籠を抱え上げた。 スザクは今日一日、ルルーシュに言うべきか迷っていることがあったのだ。 昨夜ルルーシュが眠ったのを確認してから、双眼鏡を片手に海岸に向かった。あの椰子の実はまだ新しく、この島のどこかに群生地が有り、いずれあの実に刃物を突き立ってた人物と出会う可能性が高い、ということ。 ならば、今のうちに椰子の木が何処にあるのか、どんな人物がいるのか調べておこうと考えたのだ。 月明かりだけでも十分辺りを確認できる視力を持つスザクは、出来るだけ波打ち際を歩き、足跡を残さないよう慎重に歩みを進めた。 どれだけ歩いただろうか?岩場を登り、双眼鏡で辺りを観察していると、ようやく椰子の木の群生地を見つけ、その木の下には、中のジュースを飲んで不要となったのであろう、椰子の実が沢山捨てられていた。10や20ではないその数に思わず眉根を寄せ、森の方へと視線を向けてみると、森の奥深くに僅かな明かりと煙が見え、そこを目指し移動した。 そこは、自分たちが利用しているのとはまた別の川の河川敷で、何人かの人影と、盛大に燃え上がる焚き火が視界に入り、相手から気づかれない場所から、様子をうかがうと、そこには信じられないものが見えた。 C.C.、カレン、セシル、ヴィレッタ、黒の騎士団の人間らしい人物、行方不明になっていたコーネリア。彼女らは、あられもない姿で、何やら言い合いながらも魚や木の実だろうか?食べ物を口にしている。 そして、彼らの周りには、食べ終わったものなのだろう、沢山の椰子の実やいろいろなゴミが散乱していた。衣類も脱ぎ散らかされている。屋外でその格好は大丈夫なのだろうか。色んな意味で。 ちゃんと衣服を身に着けているのはセシルと白衣の外国人女性だけだ。 その様子に、さすがのスザクも軽いめまいを覚えた。 軍人としては、セシル、ヴィレッタ、コーネリアと協力し、騎士団員を捕獲するべきだ。 それ以前に皇女を保護するべきだが。 ・・・こんな生活をしている彼女らを、こちらで抱え込むのか? スザクはしばらく考えた後、その場を離れた。そして迷い続けた。話すべきか、話さないべきか。 その日の夜ルルーシュが眠った後、自分たちの生活範囲を洞窟のある高台から辺りをグルリと見回してみた。 たしかにいくらか僕達が手を加えて入るが、河原は綺麗なままだった。 ルルーシュと一緒だと、無人島に投げ出されて、僅かな道具だけでサバイバルをしていることさえ忘れてしまうほど、快適な生活を送っている。食事面にせよ、衛生面にせよ、よくこんな生活でと思えるほどしっかり整えてくれていた。 ゴミは基本的に出ない。内臓でさえ有効活用されているし、もし出ても燃やされるか、地中深くに埋められている。 トイレも初日に、割った竹で作った簡易スコップで土を深く掘り、石や竹を用いて囲いや足場を作り、そこで用を足している。 お風呂も有り、サイカチというマメ科の木の実の鞘を煮だした液を石鹸代わりにしているので、体も清潔だ。歯磨き粉の問題も塩を手に入れたので解決した。 灰汁を利用して洗濯もし、寝袋などもほぼ毎日蔓を編んだロープに吊るして天日干しをしている。 じゃがいもを採取していた時に見つけたヘチマで、ルルーシュは早速スポンジを作っていた。慣れない生活で肌が荒れ始めたので、ついでにと、化粧水代わりになるというヘチマ水を取る仕掛けもしていたので、明日の朝回収しに行くつもりだ。 拠点周辺のよく通る草地は雑草や、歩くときに邪魔な石や危険な枝など取り除かれ、綺麗に整備されている。 お陰でラウンズの手袋は、すっかり雑草処理の軍手代わりになってしまっていた。 彼女たちがここに来ると、この状態が壊れ、ああなるわけか。 ・・・難があるとすれば洞窟での生活と、衣類のことか。着替えは欲しいよなやっぱり。 でも、そのあたりもルルーシュがいれば、そのうち何とかなりそうな気もする。 こちらは日に日に快適になっていくなあと、しみじみ思ったスザクは、彼女たちが居た方向へは絶対にルルーシュを行かせないと、決心した。 スザクは女性を発見した。が、何も見なかったことにした。 ルルーシュとスザクの生活の衛生面がかなり上昇していた。 ルルーシュはじゃがいもを手に入れたことで、料理の幅が広がった。 無人島の反対側付近に女性陣が住んでいた。 黒の騎士団:C.C.、カレン、千葉、ラクシャータ ブリタニア:コーネリア、セシル、ヴィレッタ 険悪になりながらも、どうにか生活はしているが、衛生面、食事面ともに問題が有った。 ラクシャータはカレンを連れて他のメンバーから離れたいと考えている。 彼女たちにとって、この生活はハードモードだった。 ※この島の川は1つではありません。 スザク「今なら、無人島に一つだけ何を持って行くかって質問に、ルルーシュって即答できる」 そのぐらい彼女たちの生活はひどい状態。 というわけで女性陣もこの島に居ます。ナナリーは迷ったけどさすがに無理。 会った時の苦労が目に見えているので、まだしばらくはルルーシュとスザク二人の快適生活で居てもらいます。 サヨコはチートキャラなので、ロイド、ジェレミア同様出るとしてもまだまだ先orこの三人は出ない可能性もあります。 ウチのラクシャータはカレンの保護者なので、カレンと二人きりなら、きっとスザルル組と同じぐらい快適生活を送れますが、他のメンバーのせいでそれも出来ず不貞腐れて何もしません。 ラクシャータ「カレン、あいつらは放って置いていいから、別行動取らないと共倒れよぉ?」 カレン「でも、ラクシャータさん、見捨てるなんて無理です」 みたいな感じで。二人が離れたら、C.C.は勝手に着いていきます。 むしろルルーシュセンサーが働いてルルーシュの元へ向かいます。 ちなみに ルルーシュ「スザクがいれば、何も困らないな」 と、こちらも人物が選択可能なら、無人島にはスザクを連れて行くと言いそうです。 |