オオカミの呼ぶ声2

第 15 話


「あ、食器類は買わないで。あ~そうだった、お鍋やフライパンも家にあるからいらないわ。え~っと、何がなかったかしら?」

真っ先に食器売場へ足を進めたルルーシュを、私は慌てて止めた。

「確かにあったが、数が少ないし、鍋も・・・」

ルルーシュが言いたいことはわかる。あの家の食器棚にある物は全部以前の、幼いルルーシュが使っていたときのものだし、それも全部そのまま残っているわけではない。ルルーシュが居ない間にいろいろあって、割れたり欠けたり紛失したりしたのだ。かんたんに説明すると・・・神様が住む家に入り込む馬鹿がそれだけ居たということだ。
神を信じず祟ってみろと荒らしたもの、神が使用したものを持ち帰りご利益を得ようとするもの、売れば高値がつくと盗むもの、興味本位で入り込んだもの、理由は様々だがそんな行為許されるはずもなく。
全員天罰が下ったのは言うまでもない。
ルルーシュ達が使っていた古いフトンなんかもそのせいで全部とっくに処分済み。ルルーシュの残した衣類なんかは最初の被害が出たときにさっさと箱に詰めて神社に避難させたが、一時は畳と障子も取り替えるぐらいの被害が出た。放火されかけたこともある。今は落ち着いているけど。
まあ、そんなこんなのおかげで、今あの家にはほとんど食器類はなく、最低限のものをちょっとだけ置いているだけなのだ。

「だが、」
「いいのよ。ね、スザク」

は?というような顔でこちらを見ていたスザクに耳打ちをする。

「あ!そうだ、プレゼント!」
「プレゼント?」

馬鹿スザク。耳打ちの意味がないじゃない。と思うが、スザクに嘘をついたり隠し事をしたりを求めるほうが馬鹿か。ルルーシュが連れて行かれてから毎年誕生日とクリスマスにプレゼントを買っていた。衣類はサイズがわからないから買ったのは主にキッチングッズ。だから家にはいろいろあるのだ。せっかく買ったんだから使ってもらわないとね?プレゼントは私の家で預かっているから、帰る時に藤堂さんに寄ってもらおう。
ルルーシュは一度私を見、「ああアレか」と笑顔で言った藤堂さんを見、全部理解したような顔をしてから、笑顔でスザクの頭をなでた。

「俺に食器をプレゼントしてくれるのか?」
「ああ!いっぱいあるからな。帰ったら開けようぜ!」

隠す気は一切ないスザクに、プレゼント箱を全部並べて見せたらびっくりするだろうねって話しは完璧に忘れてるなと悟り、まあそれはそれでいいかと私も話を合わせた。

「そうなのよ。だからまず見てから足りないもの買ったほうがいいわ」
「そうだな、では食器は今回やめておこう」
「キッチン用品もね」
「・・・そんなにあるのか?」
「見てから、しっかりと驚きなさい」
「ああ、わかった」

スザクの手前、プレゼントの山を見てびっくりする演技をしてよね。という意図は通じたようだ。さすがルルーシュ。ホント楽だわ。
食材は最後にということで場所を移動した。
移動した先は下着売り場。
女性の売り場に男が居たら非難されるけど、男性の売り場に女がいても何も言われないから、一人寂しく終わるまで待たずにすんだ。あーでもルルーシュやスザクがいても非難する人はいないかも?最近は女性の下着を彼女に贈る男もいるっているし。藤堂さんは・・・うーん、無理かな?

「って、あんたそれなの!?」
「ああ」

何を驚いてるんだ?という顔で見てくるが、いやいや待ってよ。それってどう見ても黒のビキニパンツよね?え?何、その顔。私がおかしいの?ブリーフじゃないだけましだけど、私の周りの男はみんなトランクスかボクサーパンツでビキニパンツは・・・いやいやルルーシュはブリタニア育ちのブリタニア人だから日本の感覚とは違うのだろう。よし、納得。まあ、大丈夫、ルルーシュならきっと女性下着でも似合うわよね?って、黒しか買わないの?こだわりがあるのかしら?

「カレン、女性が男の下着をまじまじと見るなんて、はしたないぞ」

もう少し恥じらいを持てというのだが。

「え?でも洗濯する時、お兄ちゃん達のも干したりするし、恥じらうものじゃないでしょ?」
「それは・・・そうかもしれないが」

男が女の下着を、ならわかるけれど。ってか、なんか頬赤くない?なに、恥ずかしいの?女の子が見てるから?あー、可愛いわね。その可愛さは私の周りの男どもには欠片もないものだからすっごく新鮮。

「あとは服と靴下も買うんでしょ?サイズ何?選んであげるわよ」
「俺も選ぶ!」
「・・・変なのは選ぶなよ?」
「大丈夫大丈夫」

ちゃーんと可愛いの選んであげるから、大丈夫よ。とは言わず、私はサイズを聞き出した。

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