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「な!?あ、あんた達、何してるのよ!?」 「え!?」 「まさかお前たちがそんな関係だったとはな。私に気づかれずにどうやって密会していたんだか」 C.C.が呆れたように言う。 そうだ、ゼロの愛人と言われている彼女の目もかいくぐり、ブリタニアの騎士と黒の騎士団のトップが密会し、そんな関係になってるなんてありえない!汚らわしい! 「え!?まって!?君達何か誤解してないか!?」 「誤解も何も、お前が今言ったじゃないか。ゼロに抱かれたと」 C.C.が改めて言葉にした事で、スザクは顔を見る見る青ざめさせた。恥ずかしくて赤らめているのではなく、青ざめているのだから、秘密の関係だったと、誰にも言えない事だったのだというのがわかる。まさか、あのゼロがそんな!! 「まさかまさかだな。お前たちがそんないかがわしい関係だったなんて」 「ちっ違う!誤解だ!いや、言い方が悪かった!」 「言い方を変えても変わらないわよ!」 「変わる!ものすごく変わるから!ほら、僕が軍事法廷に移送された時、ゼロとカレンが助けに来たじゃないか。あの時、ゼロに抱えられて。その時に男だって解ったって話だよ!」 僕達はそんな関係じゃない!!と力説され、そういえば拘束されていたスザクを、ゼロが抱えて飛び降りた事を思い出した。 確かに言い方が変われば全く別の意味になる。 「あ・・・。あ、あんた!紛らわしいのよ!」 「そんな風に誤解されるなんて思わないだろ!」 喧々囂々と言い合う中、C.C.だけは楽しげにしていて、あ、全部わかっててああいう言い方したわね。この女は!!と、怒りがさらに湧き上がってきた。 「・・・どうかしたんですか、みなさん」 おそるおそるという感じの声が聞こえた。 見るとそこにはディアナ王女。 この世界に飛ばされた私達と協力関係にある人物で、この世界でナイトメアフレームを動かすために必要な能力を持つロードでもある。 なんですかと聞かれて、ゼロとスザクがアレコレしていると勘違いして騒いでましたとは言えず、話しを本題に戻すことにした。 「今、ゼロが奥にいるんですが・・・」 「ええ、知っています。それが何か?」 「スザクが、ゼロの所に行くって聞かなくて」 C.C.の話しでは、今、ゼロは仮面を外している。 スザクを行かせるわけにはいかない。 「別に何も問題ないだろ?ここで見た事は他言しないよ」 「そういう問題じゃないわよ!」 日本を捨て、敵国の軍人になった男。 プライドが無いのか、今は帝国の皇女様の騎士だ。 そんな人物に、ゼロに関する情報を些細なことでも渡すわけにはいかない。素顔なんてもってのほかだ。 「そうでしたか。私はてっきりもっと大きな問題が起きているのかと」 まあ、確かに起きてはいたが、勘違いと早とちりにより大きくなっただけの些細な問題なので、それは無かった事にする。 「でも、ゼロは今、料理を作っているんですよね?」 いい匂いがしますと、ディアナが鼻をクンクンと鳴らしながら言った。辺り一面おいしそうな匂いが充満し、今にもお腹が鳴りそうになる。 「あんな仮面やマント、手袋を身につけたまま料理など出来ないから、今は身軽な状態だ」 「そうなんですか」 正体を隠していることを知っているディアナはそれで納得してくれた。 あの仮面越しでは火加減が難しいらしく、全員厨房から締め出されているのだ。 それを知ったスザクは、自分も食べるものだから手伝うと言って聞かない。それなら私が手伝うと言っても、C.C.から邪魔をするなと言われてしまった。そもそも、ゼロの素顔を知っているらしい彼女が手伝えばいいんじゃないか?と、 思わず睨んだことで、こちらの意図が通じてしまったのか、C.C.はにやりと笑った。 |